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雄琴⇒おごと温泉 西大津⇒大津京 駅改名へ 観光振興なるか
2007年3月5日
 大津市が先月19日に発表した2007年度一般会計当初予算案に、同市のJR湖西線・西大津駅と雄琴駅をそれぞれ「大津京駅」、「おごと温泉駅」に改名するための費用1億円が盛り込まれた。改名が実現に向けて動き出し、市やJRに働きかけていた両駅の周辺住民は「改名を機に観光のPRにつながれば」と期待を込めている。

 西大津駅周辺に天智天皇が開いた都、「大津京」があったといわれている。改名によって「大津京」をアピールして観光振興につなげようと、周辺住民や歴史家、文化人などが2000年に「JR西大津駅を『大津京駅』に改名する会」を結成し、約3万8000人分の署名を集めて市に改名を働きかけた。

 同会の鈴木靖将事務局長(62)は「待ちに待った動きにうれしく思う。古都にふさわしい街並みが開発で失われていく中、改名によって古代の薫り高いまちづくりが期待できる」と歓迎する。

 また、雄琴は約1200年前に伝教大師最澄が開いたといわれる由緒ある温泉地だが、全国的に風俗店街のイメージが強く、雄琴温泉観光協会は温泉地としての雄琴のイメージを前面に押し出すには改名が必要と、地元住民との協力で3年前に約3万2000人の署名を集めた。「おごと」と平仮名表記にしたのは風俗店街のイメージをぬぐい去る願いの表れだ。

 同協会の針谷了会長(56)は「新たな泉源が3月に稼働予定でうれしいニュースが続く。われわれも努力して客に喜ばれ、地域経済に貢献する温泉にしたい」と意気込む。

 しかし駅名の変更には多額の費用がかかる。改名対象となる駅の看板はもちろんのこと、周辺の駅の案内板、時刻表、全国の駅の乗車券発券システムなどを変更しなければならず、平均して約2億円かかるとされる。

 一昨年9月の定例市議会で目片信市長は「来年には新しく大津京駅とおごと温泉駅が誕生する予定」と答弁し、市は琵琶湖環状線の開業にあわせて湖北地域の3駅との同時改名を目指したが、財政難を理由に3駅の改名が断念されたため、昨年度予算に計上できなかった経緯もある。

 また、「大津京」関連の遺跡の大半がある滋賀学区で観光マップを作製するなど歴史文化を地域に伝える、住民グループ「いいね滋賀」の奥村和治代表(68)は「税金を投入して名前だけ変えても、大津京は観光地として十分に整備されていない。絵に描いたもちにならないか心配」と懐疑的だ。

 市交通・広域事業調整課は「予算が可決され次第JR西日本と協議し、JR東海道線に建設中の島本駅(仮称、大阪府三島郡島本町)が開業する来年3月の実現を目指したい」と話している。
京都新聞


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