◇間伐材や綿織物を再加工−−卒業作品を展示
高島市内の生活文化をフィールドワークを通じて研究している京都精華大芸術学部の学生が卒業作品を出品した「高島デザイン展」が7日、同市朽木市場の市文化交流施設やまびこ館で始まった。市内の間伐材や綿織物を学生の感性で加工、デザインした作品を展示。地域資源を再発掘して魅力を高めた新商品として、市民らに提案している。
高島地域地場産業振興センターなどの協力で開催。同市朽木地区で生活用具などを30年以上研究する同学部教授、丸谷彰さん(61)の研究室に所属するプロダクトコミュニケーションデザイン専攻の4年生3人が出品した。
台湾人留学生の沈柏勲(シンハククン)さん(22)は、朽木地区の杉の間伐材を組み合わせて製作したテーブルと椅子を展示。接着剤を使わずネジだけで組み合わせたそれぞれの木の木目が幾何学模様に見えるように工夫している。高村有希さん(22)は、市内で生産されている伝統的な綿織物を色とりどりの風呂敷に仕上げ、琵琶湖のヨシや朽木地区の植物などをデザインした。
一方、西川綾子さん(22)は朽木地区の生活文化などを掘り起こした季刊雑誌「くくのち」を制作。地元の人に何度も話を聞き、江戸時代に木地師が制作した「朽木盆」などを写真やイラストなどを交えて発表している。
丸谷教授は「学生らが研究した地域に蓄積された資源、宝を地元の人にも知ってもらいたい」と話している。
11日までの午前10時〜午後5時。学生らは最終日の11日午後2時からそれぞれのデザインの発表会を開く。問い合わせは同センター(0740・25・5500)。 |