大津市の旧志賀町域に残る江戸時代末期の大規模な石積みの堤防「百間堤(ひゃっけんづつみ)」を知ってもらおうと、地元住民らがこのほど、堤を紹介する案内看板を設置した。
百間堤は、同市南比良と大物にまたがる長さ百間(約180メートル)、幅18メートル、高さ最大9メートルの石垣。比良山系から流れる四ツ子川が、度々はんらんしたことから、1852年の水害後、当時の藩主、堀田正誠が約6年間かけて築造させたとされ、巨石を積み上げた壮観な石組みが今も残っている。
看板は、堤の清掃活動などを行ってきた地元の大物老人クラブ「福寿会」が、今年3月に旧志賀町が大津市と合併したことをきっかけに、名所としてPRしようと設置した。堤ができた経緯や大きさなどを紹介し、安全のための手すりも設置した。
会長の北村寛和さん(70)は「景観もよくハイキングにも最適なので、多くの人に来てもらい、先人の偉業と地元の歴史を知ってほしい」と話している。 |