滋賀県高島市朽木のグリーンパーク想い出の森で1日までに、県レッドデータブックで希少種に指定されている「ミヤマダイコクコガネ」の雄が見つかった。県内では3年ぶり9例目の発見で、県立琵琶湖博物館は「捕獲例は極めて少なく、県内の分布を知る重要な発見」としている。
想い出の森職員の足立裕郎さん(33)が8月30日に、施設内の広場で見つけた。体長約2・5センチで、頭にとがったツノがある見たことのない姿だったことから、想い出の森内で体験工房を運営するグリーンウオーカークラブの代表の青木繁さん(54)に届けた。
青木さんが図鑑などで調べたが分からず、依頼を受けた琵琶湖博物館専門学芸員の八尋克郎さん(43)が、頭部の突起や背中の溝などの特徴から、シカやウシなどのふんを餌にするミヤマダイコクコガネと特定した。
八尋さんは「過去に鈴鹿山系と比良山系で見つかっており、比良の北端の朽木にいてもおかしくはない。近くに牧場もあるので、もっと生息している可能性もある」といい、足立さんは「研究に役立てばうれしい」と話している。ミヤマダイコクコガネは標本にして、琵琶湖博物館で展示する。 |