今が旬の湖西の不動産情報掲示板
特定外来生物指定に地元困惑 高島で唯一生息のタンカイザリガニ
2006年8月3日
 滋賀県高島市今津町の人造湖「淡海湖」に生息する「タンカイザリガニ」が、国の特定外来生物に指定されたことから、地元住民らから、駆除されないか不安の声が上がっている。滋賀県は生息調査を決め、駆除の検討を始めたが、全国で唯一、淡海湖で生息が確認され、地元で保護してきた経緯がある。住民からは「環境のシンボル。駆除なんてとんでもない」との声も出始めている。

 タンカイザリガニは1926年に、食用として米国から輸入されたウチダザリガニが、戦前、今津町の農業用ため池「淡海湖」(周囲約3キロ)に放たれ、定着した亜種とされる。体は褐色で腹部の幅が広く、体長は15センチ以上に成長する。地元では「淡海湖の固有種」とみなし、天敵のブラックバスを駆除するなど保護に取り組んでいる。

 しかし、ウチダザリガニの生息が確認されている北海道・釧路湿原や福島県・磐梯山周辺の湖沼で数が増えるなど、生態系に影響が出てきたため、今年2月、ウチダザリガニとタンカイザリガニが外来生物法に基づく特定外来生物に追加指定された。飼育や運搬が禁止され、駆除の対象になった。

 県自然環境保全課は「第二のブラックバスになりかねず、保護はできない」と主張し、今後、生態系への影響調査を実施した上、専門家の意見も踏まえて、駆除を含めて対策を検討するという。環境省も「県や市の判断だが、影響が出れば駆除する必要がある」とする。

 これに対し、高島市環境エネルギー課は「淡海湖以外で見つかったことはない」と、生息地が他のエリアに拡大しないことを強調する。独自に調査を行い、「生態系には影響がない」としている。

 タンカイザリガニの保護に取り組む地元の松見茂さん(79)は「きれいな水でしか生きられず、豊かな自然のシンボルだ。80年間、害もなくひっそりと暮らしてきたのに、ブラックバスと一緒にしてもらっては困る」と訴えている。
京都新聞


HOME
Copyright (C) 2006 Shoei Real Estate Corporation. All Rights Reserved