滋賀県高島市とヤンマー(大阪市)は26日から、100%廃食油のバイオディーゼル燃料(BDF)を利用してディーゼルエンジンを駆動させ、発電するとともに、排熱による温水を供給する小型の「バイオディーゼルコージェネレーションシステム」の実証試験を、同市宮野のB&G海洋センターで始めた。メーカーが直接、同システムの試験を行うのは国内では初めて、という。
同社が共同研究を持ちかけ機材を設置し、市がBDFを提供する。両者の試算によると、このシステムを利用すると、年間で約8万円程度、光熱費を軽減できる半面、BDFの費用は約50万円かかるという。市は、市民の環境への関心を高め、バイオマスなどを活用したエネルギー自給自足のまちづくりに役立つことから協力することを決めた。
同システムは1600ccのディーゼルエンジンで出力9・9キロワットの発電機を動かして同センターに電気を供給し、エンジン上部の排熱回収装置に水を循環させ、熱くなった水で、同センター内の温水プールの水を間接的に温める。同試験は3年間で、各部品の耐久性や性能、課題などを調べる。
同日の開始式には関係者約20人が出席。同市の海東英和市長があいさつするとともに、システムの電源を入れた。 |