滋賀県高島市安曇川町の松ノ木内湖で発見されたハムシがミドリトビハムシ属の新種であることが分かり、発見した滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)の学芸員八尋克郎さん(43)の名前をとって「ヤヒロミドリトビハムシ」と命名された。
昆虫を研究している八尋さんは2000年4月、松ノ木内湖での昆虫調査で、ヤナギの葉にとまっていたハムシを発見し、標本にした。ハムシの分類学者の富山大理学部の鈴木邦雄教授が標本を調べたところ、新種であることが分かり、今年5月に学会誌に発表した。
新種は、体長2・2−3ミリ。ミドリトビハムシ属の他種が細長い体形であるのに対し、ずんぐりとしていて、体色も全体的にあい色が強い。オスの交尾器の形も異なっていた。県内では主に琵琶湖沿岸部で、ヤナギの1種マルバヤナギで見られることが多いという。
鈴木教授は「新種は外見など多くの点で従来の種と異なり、ハムシの種分化を解明する上で重要な鍵を握っている」としている。
八尋さんは「他のムシに発見者の名をつけたことはあるが、自分の名がつくのは初めて。昆虫研究に携わってきた者として光栄」と話している。 |