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「千本桜」復活へ地域住民が植樹 苗木60本を市道の両脇に
2006年4月8日
 30年ほど前まで「千本桜」として知られ、大勢の花見客を集めた大津市北小松の桜並木が、地域住民の手で復活することになった。JR湖西線の開設工事などによる伐採で姿を消したが、観光振興につなげようと、今春から地元自治会がサクラの植樹を始めた。琵琶湖から比良山系へ伸びる「サクラの道」は再びにぎわいを取り戻しそうだ。

 千本桜は現在の湖西線北小松駅から、室町幕府の13代将軍、足利義輝が命名したとされる名勝「楊梅(ようばい)の滝」までをつなぐ旧町道(現大津市道、約1キロ)に植えられた桜並木のこと。1920年代後半、江若鉄道の開通に合わせて約千本が植栽され、琵琶湖と比良山をサクラがつなぐ眺めが多くの人を魅了した。

 しかし、1974年に開通した湖西線の工事や、農機具の大型化で並木が邪魔になるなどの理由から伐採が進み、今では60本程度が残るのみとなってしまった。

 桜並木を復活させ、駅と県内では最大の落差を誇る楊梅滝を「サクラの道」でつなげば、観光名所として売り出せるばかりでなく、「地域の憩いの場にもなる」と地元の北小松自治会が思い立ち、植樹することを決めた。

 旧志賀町(先月、大津市と合併)から補助を受け、先月21日、高さ約1メートルのソメイヨシノの苗木60本を市道の両脇に植えた。今後も大津市に協力を求めながら、植樹を続けていくという。

 同自治会長の添田五十史さん(58)は「完全復活までには数十年かかるかもしれないが、息長く植樹を続けたい。花の季節は市道が桜のトンネルになり、多くの人に楽しんでもらえる」と張り切っている。
京都新聞


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