琵琶湖や里山原風景を描く 大津の米国人画家が個展
2005年11月27日
 滋賀県内を中心に、日本の原風景を描き続けている大津市伊香立の米国人画家ブライアン・ウイリアムズさん(五五)が、作品展を志賀町今宿のギャラリー喫茶「るーむぶな」で開いている。二十年以上も見続けてきた琵琶湖や里山の風景が開発で失われていく現状に心を痛め、作品には「名所ではない、何げない風景を見つめ直してほしい」との願いを込めている。

 ブライアンさんは米国で水彩画などを学び、一九七二年に来日した。棚田の美しさにひかれて、八四年に大津市に移り住み、かやぶき屋根の民家などを描き続けている。

 今回は、最近の小作品(約十五センチ四方)を中心に、約五十点を展示している。やさしい光に包まれた風景が多いが、緑にあふれた小川の絵は「コンクリートの護岸を省略し、本当に見たかった風景を描いた」と言う。

 ブライアンさんは、朝日に染まる湖岸の絵についても「この場所を持ち主が売りたがっている。建物が立つかも…」と寂しげに話し、「まだ豊かな原風景は残っている。景観がだめになると、琵琶湖の水質や多様性も損なわれる。何げない原風景をもっと大切にしないといけない」と訴える。二十九日まで。無料。
京都新聞


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