比良の湧き水 水質回復 6カ所で飲料「適」 志賀・登山グループ調査
2005年11月21日
 飲み水には「不適合」とされていた比良山系の「湧(わ)き水」の水質が回復していることが、滋賀県志賀町の登山グループの調査で分かった。7カ所の湧き水のうち、6カ所からは大腸菌群が検出されず、「適合」の判定を受けた。比良索道(リフトとゴンドラ)の閉鎖で登山客が減ったことなどが理由とみられるが、グループは「琵琶湖の水源に関心を持ってもらうためにも、調査を続けたい」としている。

 調査したのは県勤労者山岳連盟の比良雪稜会(西村高行会長)。2000年から、大津市や志賀町にまたがる山系の権現山栗原登山口や打見山などの湧き水を年1回採取し、保健所に細菌や水素イオン指数など11項目の検査を依頼している。

 同会によると、ほとんどの項目は当初から「飲み水」の基準値を満たしていたが、大腸菌群だけは花折峠や打見山など4カ所で毎年検出され、残る3カ所も02年を除いて検出されていた。

 しかし、昨年11月の調査で、花折峠を除く6カ所で大腸菌群が検出されず、飲み水として「適合」と判定された。ただ、県大津保健所は「年1回だけの簡単な検査なので、今後も見守る必要がある」としている。

 登山者は▽昨年3月の比良索道閉鎖で登山客が減った▽一昨年の大雪で浄化された−などと推測し、同会も「偶然、検出されなかっただけかもしれないが、複数の個所で同時に検出されなくなったのには何か理由があるはず」としている。登山者が安心して飲める水を目指して、同会は、山で極力用を足さないことやごみの持ち帰りなど、水源を守るためのマナー向上を呼び掛けている。
京都新聞


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