大家投手、高島にクラブチーム設立 プロも視野
2005年10月19日
19日、米大リーグ・ブリュワーズの大家友和投手が自らGMを務めるクラブチームを高島市に設立することを発表した。企業チームの休廃部が相次ぐ中、米大リーグの先輩である野茂英雄投手やコメディアンの萩本欽一さんもクラブチームを立ち上げている。大家投手もこれらのクラブと同様に地域に根差しながら、プロ志望の選手の「受け皿」にもなるチームを目指している。湖国での野球の普及やレベルアップへの貢献も期待できる。

 ■1年目、土台作り、2年目、地域に浸透、3年目、都市対抗出場

 以前は「ノンプロ」と呼ばれ人気を集めた企業の野球チームの休廃部が急速に進んでいる。日本野球連盟に加盟する企業チームは今年9月現在で83で、10年前と比べて59チームも減った。プロを目指す若い選手の育つ場所が激減し、野球を支える基盤が危うくなっている。

 その危機感から誕生したのが一昨年に設立された野茂投手の「NOMOクラブ」と、今春から活動を始めた萩本さんの「茨城ゴールデンゴールズ」だ。プロを目指す若手を集めた独立リーグ「四国アイランドリーグ」も生まれた。いずれの入団テストにも多くの選手が挑戦し、NOMOクは今夏の都市対抗に初出場を果たすなど企業チームと互角に戦えることを証明した。

 都市対抗で一緒に代表枠を争う京滋でも2002年に三菱自動車京都、03年にIBM野洲が休部した。大家投手のチームは「1年目に土台を作り、2年目に地域に浸透、3年目で地域のシンボルとなって都市対抗出場」と都市対抗を目指す指針を掲げており、京都府野球連盟の清水忠雄専務理事は「NOMOクのようなレベルで戦えるなら、活性化につながる」と歓迎する。滋賀県野球連盟の南喜右衛門専務理事は「うれしいこと。クラブとして長続きできるようなチーム作りを」と期待する。

 NOMOク、ゴールデンゴールズはNPO(民間非営利団体)として野球指導や清掃など幅広いボランティア活動を行い地域密着を図っている。経済的基盤に恵まれないクラブチームは地域との連携、支援が欠かせないためだ。

 初年度の運営費約5千万円はファンクラブやスポンサーの支援と大家投手の負担でまかなうが、2年目以降は選手がグッズ販売など設立母体のNPOの事業に参加し住民からの支援を増やす構想だ。スポーツクラブが口火を切り、地域スポーツや地域社会の活性化を図る試みの一つともいえる。クラブ、行政、住民、スポンサーが一体となり「チームを育てる」息の長い取り組みが求められる。
京都新聞


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