カキの渋、収穫前に抜け! 高島の農家で処理法試験
2005年10月12日
 高島県事務所は12日、滋賀県内最大のカキ産地の高島市今津町深清水で、収穫前にカキの渋を抜く「樹上脱渋(だつじゅう)」の改良型処理法の現地試験を県内で初めて実施した。渋抜きが必要な品種「平核無」の付加価値を高める狙いで、栽培農家も参加した。

 同事務所農産普及課によると、カキの渋抜きは収穫後にアルコールや炭酸ガスで行うのが一般的。「樹上脱渋」は収穫前に専用のアルコールを入れたビニール袋をかぶせる方法で、約30年前に開発されたが、袋をへたごと結ぶ手間がかかる難点があった、という。

 改良型処理法は群馬県伊勢崎市の県農業技術センターが昨夏、専門誌に発表した。袋をへたの下で輪ゴムでとめるだけの簡易さが特徴で、農産普及課では、収穫を遅らせることで実が大きくなり、甘みも増すことから、農家に受け入れられる可能性があると判断して現地試験に踏みきった。

 参加した農家9人の中には「面倒では」との声もあったが、作業は予想以上に簡単で、「ぜひ試したい」との声が相次いだ。各農家は急きょ、自分たちのカキの木にも取り付け、「贈答用などに限定して導入を考えたい」と話していた。
京都新聞


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