愛知万博(愛・地球博)で使われているロープウエーのゴンドラの移設先をめぐり、すでに誘致を表明している滋賀県志賀町のびわ湖バレイのほかに、中国・四川省が名乗りを上げ、誘致合戦が激化している。「万博ゴンドラ」をPRして、誘客アップを図りたいびわ湖バレイは、強力なライバルの出現を受けて、地元で誘致を求める署名を集め、愛知万博協会に熱意をアピールすることにしている。
びわ湖バレイのロープウエーは、比良山系の打見山の山頂付近とふもとを結ぶ。全長約1・8キロで、現在は4人乗りのゴンドラを使っているが、老朽化が進み、スキーシーズンの輸送力の増強も課題だった。
愛知万博が9月25日に閉幕した後、ロープウエーは撤去されるため、管理運営会社の「びわ湖バレイ」と志賀町は5月に、8人乗りの万博ゴンドラの誘致を万博協会に打診し、来春に同町と合併する大津市も「記念に」と支援している。
万博協会は7月に移設先を募り、神戸、横浜市のほか、四川省からも引き合いがあった。これまでに神戸、横浜市は辞退し、移設先争いは同社と四川省に絞られている。関係者は「四川省は、観光地の峨眉山への取り付けを考えているのではないか」とみている。
びわ湖バレイは、住民や来場者を対象に誘致を求める署名を集めているほか、インターネットでも署名を募り、「町を通じて署名を万博協会に届け、熱意を伝えたい」としている。万博協会は「できれば国内で使ってほしいが、移設費や譲渡費用の提示も参考にしなければならない。9月中旬までに決めたい」と話している。 |