雨水浄化システム:24時間で飲料水に 片山さんら、4人が開発中
2005年8月2日
 ◇非常用水の確保などに−−実業家4人が商品化目指す

 高島市内の実業家4人が、純度の高い竹炭やセラミックを使って雨水を飲料水に変える「雨水浄化システム」の開発に取り組んでいる。今年5月には中小企業創造活動促進法(創造法)に基づく県知事の認定も受け、来年度中に商品化にメドをつけたいとしている。

 グループは水質浄化資材を製造販売する片山喜一郎さん(64)=同市新旭町旭=を中心に▽建設業の大鉢敏平さん(47)=同町饗庭▽配管業の佳山加津夫さん(52)=同町新庄▽石材業の中村久さん(61)=同市鴨=の4人。片山さんは約10年前、大手製鉄会社を脱サラし新旭町に転居、新事業に取り組んでいる。

 4人は一昨年末から、片山さんが饗庭地区に所有する実験棟内で、強化プラスチック製のプラントを構築。屋根に降った雨水は1トンタンク3個に貯水後、かこう岩と砂のろ過槽―高電導竹炭浄化槽―活性竹炭・セラミック浄化槽を通って24時間で飲料水となる。

 高純度の竹炭とセラミックで不純物を吸着、分解する仕組みで、できた飲料水は普通の水道水よりアルカリ度は少し高め。浄化の過程で竹炭のカリウムなどミネラル分が増えるためで、まろやかな味わいが特長。保健所に依頼して行った水質検査では、飲料水に適していると判定された。週に1回雨が降れば、4〜5人分の飲料水と生活用水を十分まかなえ、竹炭とセラミックは半年に1回の交換でよいという。

 用途や設置場所に合わせ、コンクリート、ステンレスのシステムも開発中。いずれも市販するには塩素殺菌工程を組み込むことが義務づけられるが、同システムだと殺菌後の塩素も分解される。価格は素材によって異なるが、150万〜300万円程度になりそうという。主な用途は高山や離島など渇水地帯のほか、災害時の非常用水の確保にも役立つ。

 片山さんらは「荒れ放題になっている竹林の資源化にも役立つことが期待できる。ぜひ普及させたい」と話している。
毎日新聞


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