◇町やJAなどで第三セクター−−県内初
健康食として注目されている発芽玄米の処理加工施設がマキノ町小荒路に出来、9日、関係者約70人が出席して完工式があった。県内では初の発芽玄米加工施設で、町などが出資する第三セクターが経営。地元の農業振興に大きな役割を果たすと期待されている。【森岡忠光】
発芽玄米は玄米を人工的に発芽させたもの。玄米より栄養価が高く、アルツハイマー病になりにくくする「PEP阻害物質」、血圧や中性脂肪を抑え神経の鎮静に効果がある「ガンマ―アミノ酪酸」(通称ギャバ)、食物繊維、各種の抗酸化物質、ミネラルなどを豊富に含むとされる。
加工施設は同町とJAマキノ、発芽玄米の研究開発会社「ドーマー」(長野県上田市)の3者を主な出資者とする「株式会社マキノ・ドーマー」(資本金5000万円)が経営し、社長は吉原俊嗣・マキノ町長。
施設は鉄骨平屋建て約1100平方メートル。精選室、発芽室などがある。玄米を32度の温水に18時間浸し、わずかに発芽させる。「ドーマー」の技術によって出来た発芽玄米は水分を約33%含み柔らかく、おいしいのが特徴という。1日3トン、年間約720トン生産できる。
完工式で吉原社長は「フル稼働すればマキノ町産米の6割を原料米として供給でき、地域おこしの起爆剤となりうる」と述べた。総事業費約4億6000万円。国が2分の1、県、町も一部補助している。 |