滋賀県新旭町の専業農家でつくる町農業フロンティアクラブが栽培した古代米の黒米を使い、町内の蔵元が純米酒「琵琶の卑弥呼」を製造、先月末から販売を始めた。淡いピンク色に仕上がり、ポリフェノールも含んだ健康志向の酒で、愛飲家の注目を集めそうだ。
クラブは農業技術の向上を目的に1984年に発足した。黒米栽培は昨年、稲作の原点の古代米に着目し、一昨年の赤米に続いて取り組んだ。
黒米は表面の赤黒い部分にビタミン類やポリフェノールの一種のアントシアニンを多く含み、古代にも酒米に利用。昨秋収穫した黒米400キロを使い、町の仲介で川島酒造(旭)が醸造した。黒米独特の成分を生かすため、75%を玄米に近い状態で使うなど工夫を凝らした。すっきりとした味わいで、冷やして飲むのに適しているという。
フロンティアクラブの日爪治彦会長は「心待ちにした酒ができてうれしい。需要が見込めれば栽培の拡大も検討したい」と期待している。
500ミリリットル入りを2000本製造。1本1300円。問い合わせは川島酒造Tel:0740(25)2202。 |