<琵琶湖>70m湖底でわき水? 滋賀県研究所が撮影
2004年6月5日
 滋賀県琵琶湖研究所(大津市)などの調査チームが、琵琶湖(最深部約104メートル)の水深約70メートルの湖底で、わき水のようなものが出ている様子のビデオ撮影に成功した。琵琶湖では、水深10メートル程度でのわき水が確認されているが、それ以上に深い場所では確認例がない。滋賀県では昨年度から、森林の保水機能など、湖に流れ込む流域全体の水循環メカニズムの分析を進めており、新たに地下水の流れの解明が進めば、今後の渇水対策などにも役立ちそうだ。

 同研究所の熊谷道夫総括研究員や、金沢大、京都大、立命館大のメンバーらによる調査チームが先月10日、同研究所などが開発した潜水ロボット「淡探(たんたん)」を使って、湖底を調査。琵琶湖に流れ込む安曇川の河口部(安曇川町)から約500メートル沖を撮影中、穴のようなところから上っている水の流れをとらえた。さらに、付近の100メートル四方程度の範囲で約10カ所、似たような現象を撮影した。

 琵琶湖では、古くから「魚が集まるところにはわき水がある」などと伝えられ、湖底の地形や付近の地下水の状況などから、深い部分でもわき水が存在すると推測されていた。

 約400万年前に誕生したとされる世界有数の古代湖・琵琶湖では、水がどこからどれほど来るのかなど、明確に解明されていない謎は多い。熊谷総括研究員は「湖の全体像をつかんで初めて、水の管理や環境対策などを十分に講じることができると思う。今回の調査結果が、琵琶湖を知ることに目が向くきっかけになれば」と話している。
毎日新聞


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