半化木炭使い濁水防止実験 今津で農業環境創造研会
2004年5月26日
 滋賀県今津町内の農業団体や龍谷大など産官学でつくる「農業環境創造研究会」(事務局・JA今津町)はこのほど、同町日置前の水田で濁水防止実験を始めた。建築廃材を活用した半化木炭による新しい試みで、農家への普及がしやすいよう低コストでの浄化装置開発を目指しており、実験の成果が期待されている。

 同研究会を構成するのは、JA今津町と高島郡農業共済、田中建材(同町今津)、龍谷大、県東北部工業技術センター。同大学が昨年度に行った同社開発の半化木炭の室内実験で農薬がほぼ100%、リンと窒素も50%程度除去できることが判明。今春、同研究会を立ち上げ、水田での実験に入ることになった。

 実験では、飲食店などで使われる簡易浄化槽(縦1・3メートル、幅80センチ、深さ90センチ)のプラスチック容器を使い、水田の排水路に埋設して内部に入れた半化木炭を通過させて汚れを吸着させ除去する。本年度から2年間、降雨のピーク時に排水前と後の水を取水して効果を調べる。

 同大学の竺文彦教授(環境工学専攻)は「濁水で半化木炭の吸着性は落ちるだろうが、装置を設置することで琵琶湖の負荷軽減になるのは間違いない。普及させるためにも低コストで手間のかからないシステムを目指したい」としている。
京都新聞


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