滋賀に本格的な春の訪れを告げるとされる「比良八講」が26日、大津市などの琵琶湖一帯で行われた。比叡山延暦寺の僧侶ら約60人が「ボォー、ボォー」とほら貝を響かせ市中心部を歩き、法要のあと、湖面に「法水」を注いで湖上の安全と無病息災を祈願した。
湖国は朝から澄み切った青空が広がった。風がやや強かったが、山伏姿や袈裟(けさ)をまとった一行は午前9時前、大津市長等3丁目の本福寺を出発。商店街を経て大津港までの約1キロを練り歩いた。
同港で渡辺恵進座主が般若心経を唱えた後、信者ら約300人とともに観光船で琵琶湖上へ。途中、先に比良山頂でくんだ「法水」を注ぎ、水難者の霊を慰め、湖水の浄化を祈願した。一行は志賀町南小松の近江舞子浜でも法要を営んだ。
比良八講は、延暦寺の僧侶が平安時代に比良山中で行った法要。この行事を境に、比良山から吹き下ろす強風はやみ、春本番を迎えるという。 |