滋賀県今津町弘川の弘川佃(つくだ)・葭元(よしもと)遺跡を発掘調査していた町教委は26日、平安時代中期に発行された古代銭「乾元大寶(けんげんだいほう)400枚余りが祭祀し(さい)用の穴から出土したと発表した。ひとつの遺跡からの出土枚数としては国内で最も多い。
「乾元大寶」は「和同開珎」以降発行された12種の通貨「皇朝12銭」の最後の銅銭で、958年に発行された。西端の2カ所の深さ約20センチの穴から見つかった。2カ所とも約100枚がひもを通して埋められ、さらに約100枚が祭祀用の甕(かめ)(高さ約15センチ)に入れられていた。鉛分が多く、腐食して、固まったような状態だった。
遺跡ではこのほか、弥生時代後期から鎌倉時代前期にかけての50棟を超える建物跡やガラス玉、土器などが大量に出土した。町教委は「甕ごと埋めて、地鎮の祭祀に用いられたのではないか」とみている。 |