被葬者は威厳ある村長風? 高島町で古代人の復顔模型
2004年2月25日
 滋賀県高島町教委は25日、同町勝野の打下古墳から出土した古墳時代中期(5世紀中ごろ)の集落の長と見られる被葬者の頭がい骨を基にした復顔模型が完成したと発表した。古墳時代の人物の復顔は全国でも初めてといい、約1500年前の古代人の人物像に迫る貴重な資料となりそう。

 復顔は、頭がい骨からコンピューターを使って立体的な骨格の模型を作り、年齢に見合う肉付けを忠実に施した原型から樹脂で制作。形状の根拠のない耳は頭髪、首はひげで覆って胸像に仕上げた。

 町教委によると、復顔から見る古代人は縄文人と比べて顔の彫りが浅い顔立ち。村長とみられる被葬者が威厳のある人物だったことがうかがえる、という。

 復顔を監修した京都大大学院の片山一道教授(骨考古学)は「頭がい骨の保存状態が極めて良くリアルに復顔できた。古墳時代の人物像を科学的に再現した全国でも唯一の資料」と話している。

 頭がい骨は2001年11月、町の上水道配水施設建設工事中に見つかった箱形石棺に埋葬されていた被葬者。埋葬状況から集落の長とみられ、その後の調査で被葬者は身長約155センチの小柄で、年齢25歳から50歳の男性と推定した。

 復顔模型は3月27日から同町鴨の町歴史民俗資料館で公開する。
京都新聞


HOME
Copyright (C) 2003 Shoei Real Estate Corporation. All Rights Reserved