地域信仰の「太子立像」新調 安曇川 3月大祭で披露
2004年2月20日
 信仰の対象だった「聖徳太子立像」を盗まれた滋賀県安曇川町常磐木の庄堺区(吉田儀次区長)はこのほど、太子立像を新調した。落胆していた地域の古老らは「2度と盗まれぬよう大切にしたい」と喜んでいる。

 太子立像は江戸中期から伝わり、地元の古老で作る「十人講」が太子堂に納めて世話していたが、一昨年10月22日から翌月22日までの月参りの間に盗まれた。

 地域の古老らは警察の捜査に期待する一方、太子堂に太子立像の写真を入れてまつり、無事に戻ることを願い続けた。しかし願いはかなわず、新たな太子像の安置を区に要望。区は住民から寄付を募り、昨年9月、同町出身の彫刻家を通して木型師原田和茂さん(66)=西宮市愛宕山=に制作を依頼。今月1日に新しい太子像が届いた。

 新しい太子像はベニマツ製で、元の立像と同じ高さの約30センチ。正面写真しか残されていなかったため、原田さんは著名な彫刻家の太子像の写真を参考に制作した。

 太子像は聖徳太子の命日の22日、太子堂に納めて入仏式を営み、来月22日の大祭で住民に披露する。十人講の1人の熊谷辰藏さん(79)は「何ともいえない穏やかな顔立ち」と喜んでいる。
京都新聞


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