滋賀県の安曇川町や町商工会、農業生産者らでつくる「アドベリー生産協議会」(梅村勝久会長)が、健康食品として欧米で注目されている果実「ボイセンベリー」の栽培や加工品開発に取り組むことになり、11日発表した。滋賀県立大のほか、主産地のニュージーランドの法人団体からも技術協力を受けて行う計画で、国内の産官学に外国も含めた連携事業になる。
ボイセンベリーは、ブラックベリー類の1種で1920年代後半に品種交配で生まれた。食物繊維を多く含み、抗酸化作用のある成分アントシアニンはブルーベリーの6倍といわれる。
町の「道の駅」整備に伴い、町商工会が中心になって特産品を検討する中で、国内ではまだ本格的な栽培が行われていないボイセンベリーに着目。今年7月から調査を始め、10月に協議会を発足させた。
協議会は、県立大のほかに、ニュージーランドのボイセンベリーの生産者組合や加工会社などでつくる「ベリーフルーツ・エキスポート・ニュージーランド協会」に栽培や加工の面で協力を要請し、このほど承諾を得た。苗は同協会を通じて来年5月ごろに輸入。安全性を確認し、翌年末ごろから町内の約8ヘクタールの畑で栽培を始めるという。
協議会はすでに同種のブラックベリー類の苗で栽培試験を開始。また輸入したボイセンベリーの濃縮ジュースや冷凍果実を使い、ケーキやアイスクリームを試作したが、いずれも上々の出来栄えという。
福井俊一町長は「町の特産品として十分期待ができ、本格的な栽培と加工で雇用拡大も図れる」と期待している。 |