滋賀県志賀町栗原の登山道わきの斜面から出ているわき水が「ほのかに甘い」「さっぱりした味わい」と口コミで評判を集め、多くの家族連れや飲食店主らが、町内外から水をくみに訪れている。
水は、権現山(標高990メートル)の登山口から喜撰川沿いに30メートルほど山に向かって歩き、最初の分かれ道にある石垣のすき間からわき出ている。近くの住民によると、1992年に県が近くで砂防ダムを建設した後、水が出だしたといい、水脈が変化したためとみられる。水は1年中枯れることなく、水温は12、3度で夏でも冷たい。地元で飲料水として使えないか期待する声が上がり、2000年秋、県大津保健所に水質検査を依頼。飲料水に適していると認められたため、住民が取水口を取り付けたという。
今では、町内はもとより、湖南地域や京都市からも家族連れらがペットボトルやポリタンクを車に積んで訪れ、休日になると行列ができる。3週間に1度水くみに来るという野洲町行畑、西川輝彦さん(61)は「米を炊いたり酒の水割りなど調理や飲食はすべてわき水。水道水は洗い物だけ」と満足そう。
栗原区の徳岡忠男区長(67)は「多くの人に喜んでもらえることは、うれしい。自然豊かな栗原の良さを知ってもらいたい」と話している。 |