高島郡内4地区の自然環境調査 京都精華大 学生らが発表
2003年8月18日
 京都精華大の学生らがこのほど、滋賀県高島郡内の3町、4地区で実施したフィールドワークの結果をまとめ、新旭町役場で発表した。同大の嘉田由紀子教授が中心になった自然環境調査で、地元住民らは普段は気付かない身近な魅力を再発見していた。

 調査は、県湖西地域振興局が地域の自然環境の保全や活性化を目的に進めている「湖西・森と里と湖のミュージアム構想」の一環で、同大と連携して実施。マキノ町海津、高島町勝野、同町畑、新旭町饗庭の4地区で、12日までの3日間、実施した。参加したのは、同大の学生21人。

 発表会は、調査対象となった地区の住民約30人を招いて行われた。学生らは畑地区について、4つの尾根にはさまれた3つの谷に、2つの集落があり、谷間にある約15ヘクタール、約360枚の棚田が、コメの栽培だけでなく保水力に優れていることや同地区の味噌のおいしさを強調した。また、同町饗庭の日爪地区について「かつては沢の水を水路で家から家へとつないでいた。1カ所でも汚いものを流せば、下流側は水が使えなくなり、水に対する意識が高かった」などと報告した。

 調査結果は、約50枚の模造紙にまとめ、各地区に贈呈した。嘉田教授は「地元では当たり前だと思っていたことに気付く調査になったと思う。無いものねだりから、あるもの探しへと前向きな考え方につながれば」と話していた。
京都新聞


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