「琵琶湖周航の歌」誕生85周年 来月、今津町で記念イベント
2003年5月29日

 「琵琶湖周航の歌」が今津町で誕生して85周年になるのを記念したイベントが来月、同町で開かれる。イベント名は、歌詞とメロディーを作った小口太郎氏、吉田千秋氏にあわせて「琵琶湖周航の歌誕生85周年記念『千秋と太郎の出会いの日』」。実際には接点のなかった2人だが、歌の由来解明のきっかけとなったはがきなど貴重な資料を初公開。同町は若くして亡くなった2人を通して周航歌の誕生秘話を広く知ってもらい、歌を通して進めている全国的な交流の輪を広げたいとしている。

 周航の歌は、旧制第三高等学校(現京都大)ボート部員だった小口氏が作詞。小口氏は1924年に26歳で亡くなったが、クルー仲間の記憶で、今津の宿で小口氏が自作の歌詞を見せ、みんなで当時よく歌われていた「ひつじぐさ」のメロディーに合わせて歌ったことが分かっている。

 一方、原曲となった「ひつじぐさ」の作曲者も長年不明だったが、80年ごろに名前が分かり、今津町の調査で10年前、新潟県新津市生まれで語学や音楽などに多彩な才能を示しながら病気で東京での学業を断念し、19年に24歳で亡くなった人物と判明した。

 6月1〜29日、同町今津中沼の今津東コミュニティセンターで特別展を開く。消印から小口氏が17年6月28日夜、今津で投函(とうかん)した「羊草の生えた池にボートをつないで(中略)今夜はこの今津に宿る」と書いたはがきやヒツジグサの絵を添えたはがきを初公開。小口氏愛用のバイオリン、吉田氏愛用のアコーディオンなどを展示する。

 また、同8日午後1時半から、センター向かいの今津文化会館で「歌と映像と話でつづる琵琶湖周航の歌」を催す。歌の由来解明に尽力した元NHKアナウンサーの飯田忠義さん、声楽家の佐藤瑛杜子(えつこ)さん、ピアニストの中野寛さんが出演する。

 同29日午前11時からは、第7回琵琶湖周航の歌合唱コンクールもある。

 いずれも入場無料。特別展とトークショーの問い合わせは、同町産業振興課(0740・22・6835)。合唱コンクールは今津文化会館(0740・22・1746)。

毎日新聞


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