四高桜の移植作業始まる　高島町の県道拡幅で

四高桜の移植作業始まる 　高島町の県道拡幅で

2003年2月12日

　滋賀県高島町勝野の四高桜（ソメイヨシノ）の移植作業がこのほど、始まった。県道の拡幅に伴い、沿道の四高桜１７７本のうち、１１２本を近くの広場に移植、３年後までに作業を終える予定。

　四高桜は、１９４１年、第四高等学校（現金沢大学）漕艇部のボートが高島沖で遭難したことをしのび町内の植えられた約１０００本のソメイヨシノ。県道沿いには、補植した若い木などが並ぶ。

　拡幅されるのは、県道北船木勝野線のうちの約１・２キロ。計画では２０１０年度までに１０億８０００万円をかけ、幅を現在の４－５メートルから、６メートルほどに拡げ、両側に自転車道や歩道を設ける。

　県の調査の結果、１１２本を移植、１７本を現在のまま残し、移植不可能な老木と枯死木の計４８本を伐採する。また、県道の南側にある松林のクロマツ１７３本のうち、枯死木など５５本も伐採するが、車道と歩道を分離し、松林の中に歩道を通すことで可能な限り残せるという。

　一方、地元では「四高桜を守り育てる会」が１８日に設立され、３月１日のイベントで四高桜を接ぎ木する。遭難で四高の同期生を亡くした「びわ湖四高桜保存会」の森平嘉彦さん(81)＝大阪府箕面市＝は「地元に育てる会ができるのはありがたい。後世に遭難の悲劇を伝えたい」と話す。会の参加希望者は、同会事務局Tel:０７４０（36）８１３５へ。

京都新聞

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