滋賀県大津市堅田の造船所で復元されていた、江戸期を中心に活躍した琵琶湖の木造輸送船「丸子船」が出来上がり22日、進水式が行われた。
琵琶湖の観光船の船長だった三上元則さん(74)=大津市坂本7丁目=が、知人から現役最後の丸子船を買い取り、昨秋、船大工の松井三四郎さん(90)=同市本堅田1丁目=に修理を依頼していた。
進水式には丸子船保存会員ら約20人が参加。神事の後、杲馨(ひのでかおる)会長が「今回の復元は県の環境や文化に大きな足跡を残した」とあいさつ。松井さんが船首に御神酒をかけ、くす玉が割られたあと、三上さんが船上で鳴らすドラの音を合図に琵琶湖沖に向かうと、参加者から歓声と拍手が起きた。
復活したエンジン搭載の丸子船は全長約17メートル、重量約20トン。20、30人が乗船できるという。松井さんは「この船が活躍すれば、丸子船復活を考える人がまた出る。いい波に乗ってほしい」と話していた。同船は今後、内装などを終えた後、来年3月半ばに湖上観光船としてデビューする予定。
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