特別展「高島市の歴史と文化」が、同市の藤樹の里文化芸術会館で開かれている。二十五日まで。
琵琶湖の北西にある同市は、古くから日本海と奈良・京の都を結ぶ交通の要衝として栄えた。このため多くの文化財がありながら、これまでまとめて紹介される機会がなかった。今回、旧町村の資料館や収蔵庫に分散していた資料を一堂に集め、二〇〇五年に旧高島郡六町村の合併による市誕生以来、市全体の歴史や文化を概観できる初の展示会を企画した。
会場には、古代の集落遺跡から出土した、渡来系の影響を受けた文様を施した甑(こしき)(=蒸し器)などの考古資料をはじめ、神仏習合で神社に掲げて信仰の対象にしたという「椋川の懸仏群」、江戸時代にこの地を治めた分部家が築いた大溝城下古絵図。また、朽木のトチやブナの材で作った盆やわんなどの木地屋製品とろくろ道具など約八十点を展示。「三分の一が初公開」(市文化財課)といい、見どころも多い。会期中は二十日休館。 |