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高島出身、桜美林学園の創設者 清水安三の志、朗読劇で
2016年7月7日
 滋賀県高島市新旭町出身で、桜美林学園(東京都町田市)を創設した清水安三(1891から1988年)の後半生を描いた朗読劇「人生を二度生きた男 清水安三 桜美林物語」が10日、同町の市観光物産プラザで上演される。市内の「朗読劇団ムサシ」が6年前から毎年、旧6町村の歴史や人物を取り上げたシリーズの完結編。「清水の業績や精神を高島の人に広く知ってほしい」と願う。

 清水は旧制膳所中、同志社大を卒業後、26歳で中国に渡り、北京に「崇貞学園」を設立、二十数年間、女子教育に力を注ぎ、「北京の聖者」と呼ばれた。戦後帰国し、桜美林学園を設立した。

 劇は1946年、中国から引き揚げた安三が、旧陸軍兵器廠(しょう)の寄宿舎だった廃虚を仮校舎として生徒や教職員を募集し、50日足らずで学校を設立。その後全国や北米、南米で著書を販売して寄付を募り、学校を拡大。1976年桜美林高が初出場の夏の全国高校野球で初優勝し、88年に96歳で死去するまで、苦難を乗り越えながら教育に情熱を注いだ後半生を描く。

 同劇団主宰の森本純一さん(65)は3年前から構想。同学園を見学したり、高島在住の学園関係者5人に取材し、脚本を練った。「開校時、安三は希望者全員を入学させ、『社会はさまざまな人が必要、学校はそれ自体が社会』と語った。安三の教育の原点であり、知識偏重になりがちな今の教育に通じる」と強調する。

 これまで平家落人伝承(朽木)、壬申の乱(高島)、吉備真備(安曇川)、西与一左衛門(マキノ)、松本彦平(今津)と旧6町村の歴史や人物の朗読劇を毎年上演してきた。「高島市に合併したが、住民のぎくしゃくした気持ちを解消したいと思っていた。シリーズ完結で、少しは交流が生まれてきたのではないか」と語った。

 午後2時開演。700円(前売り500円)。チケットは同プラザ内の新旭公民館などで販売している。森本さん携帯電話090(1488)4883。
京都新聞


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