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<ウナギ味ナマズ>始動 近大が幼魚生産、旧マキノ北小に養殖場 市、新たな地域おこし期待
2016年2月19日
 ウナギ味のナマズの養殖に取り組む近畿大学が高島市で、ナマズの幼魚(種苗)生産に乗り出した。餌や養殖環境を工夫したナマズは、かば焼きにするとウナギそっくりの味や食感になるという。近年、価格が高騰したウナギに取って代わり、安価で提供できる「救世主」にしたい考えだ。

 近大は、「海のダイヤ」と呼ばれるクロマグロの、卵から成魚までの完全な人工養殖に成功し、話題となった。更に農学部の有路昌彦准教授がウナギ味ナマズの開発に成功。昨年の「土用の丑(うし)の日」には東京・銀座と大阪・梅田にある近大水産研究所直営レストランでかば焼き試食会を開き、「言われなければナマズと分からない」などと絶賛されたという。

 ウナギ味に養殖するには泥臭さの少ない琵琶湖産のナマズ(マナマズ)が適している。養殖の元になる幼魚を供給するため、近大ベンチャーの株式会社「自然産業研究所」=大津市=が高島市に現地法人を設立。人口減少のため昨年春に閉校した旧マキノ北小のプールを昨秋借り受け、鉄材の骨組みをかぶせて巨大なビニールハウスを造って温室とした。

 水を抜いたプールには十数基の水槽を設置。琵琶湖産の体長40から50センチの親ナマズ約40匹や、稚魚などを飼育し研究している。豊富な地下水は飼育や養殖に最適という。

 水温を上げて春の産卵を早める研究などを進めており、事業化に向けて幼魚を通年出荷する方法を確立する方針。来月にも初めて採卵し、人工ふ化を目指す。生産したナマズの幼魚は、近大開発の種苗などを扱う関係企業が買い取り、鹿児島県の養殖業者に卸す。

 一方、全国唯一のウナギ味ナマズ種苗生産施設を後押ししようと、高島市は4月から、旧マキノ北小全体を5年間無償で貸与する方針。地元で加工販売する6次産業化も視野に入れて「高島ナマズ」の登録商標を申請するなど、新たな地域おこしの呼び水として期待している。
毎日新聞


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