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「大溝の水辺」が国重文景観に選定 高島市3件目、全国最多に
2014年11月24日
 戦国時代末期、琵琶湖のほとりに築かれた大溝城の遺構や城下町の風情を残す高島市勝野の一帯が、「大溝の水辺景観」として国重要文化的景観に選定されることになった。湖や山の水を巧みに引き込んだ生活様式が、現在まで継承されている点が評価された。選定されれば同市3件目の国重文景観で、一市町村が有する件数としては全国で最も多くなる。

 大溝地区は、比良山地と琵琶湖の間に位置する高島平野南端の集落で、古代北陸道の駅や湖上交通の拠点の港があるなど、古くからの交通の要衝。国重文景観に選定されるのはこのうち1400ヘクタール部分で、琵琶湖の一部や周辺にある内湖の乙女ケ池、大溝城跡とその城下町などが含まれている。

 大溝城は、戦国武将・織田信長のおいに当たる織田信澄が天正6(1578)年に築いた水城で、乙女ケ池を堀として利用。すぐに廃城となったが、江戸時代の大溝藩主が城下町に上水道を整備し、それが今も利用されている。上水道には山の湧き水などが引き入れられ、この地域では水の恵みを生かした農業や醸造業が発達した。

 同市にはすでに、「海津・西浜・知内の水辺景観」「針江・霜降の水辺景観」の2件が国重要文化的景観に選定されている。これで、大溝の水辺景観も選定されれば、一つの市で3件を有することになり、全国で初めてのケース。

 市教委文化財課は「琵琶湖と乙女ケ池にはさまれた集落の、水とともに暮らす生活を理解する上で、欠かせない景観。活用策を検討したい」としている。大溝城跡は現在、天守台の石垣だけが残っており、今後は本丸跡を中心に遺構の確認調査を進めることにしている。
産経新聞


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