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亡夫にささぐ押し花作品集 高島の女性が出版
2012年12月30日
 滋賀県高島市今津町の押し花作家、小林美代子さん(70)が、初の作品集を出版した。5年前に夫をがんで亡くした後、押し花の勉強に没頭。所属する押し花の全国団体の数少ない師範となったのを機に、出版を勧められた。「夫も喜んでくれているはず」と感慨を話す。

 ガーデニングが趣味だった小林さんは、知人の誘いで2003年に地元公民館の押し花教室に通い始めた。05年にインストラクターの資格を得た直後に、夫の邦宏さん=当時(68)=ががんと判明。押し花も一切やめて夫の看病に専念したが、約2年後に他界した。

 喪失感が大きく家に引きこもる日が続いたが、ある時散歩に出て野の花の美しさにはっとし、「自分には押し花しかない」と発奮。著名な作家が集まる東京の講座に月2〜3回ペースで半年近く通った後、今度は押し花の全国団体の代表がいる福岡県へ毎月出向いて3年間学び、会員が約3万人いる中で10人目の師範となった。

 小林さんの作品は、花を一度バラバラにして組み立て直す従来の押し花に対し、自然な状態をできる限り保つ技法が特徴。押し花を置いた布をパステルで塗って、季節感のある背景に。自然に咲いているように仕上げる。初の作品集(A4判、50ページ)では、これまで製作した200点以上の中からよりすぐった40点を紹介、エッセーも添えた。

 小林さんは「そばできっと、夫が見守ってくれていると思い、ここまで頑張れた。今後も生きがいとして作品をつくり続けたい」と話す。作品集は同市の琵琶湖周航の歌資料館などで販売。1500円。
京都新聞


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