伝統の郷土料理を次世代につなげる調理実習が21日、高島市立高島中(同市勝野)1年の家庭科授業で行われた。アメノイオ(ビワマス)飯▽エビ豆▽サツマイモのきんとん▽地産野菜のみそ汁作りに挑み、昼食で会食。アメノイオ飯を一口食べた生徒は「おいしいっ」と歓声を上げていた。
同中は隣接する高島小と小中一貫教育体制で「高島学園」とも名乗っており、中1は同学園7年生と呼称。この日は7年2組の31人が素材から調理して古里の味をかみしめていた。
アメノイオ飯はシイタケ、にんじんなどとのしょうゆ味の炊き込みご飯。雨が降ると川を上る「雨の魚」を「アメノイオ」と呼ぶ。最近は家庭でほとんど作られず、半ば忘れられているという。料理名も多くの生徒たちには初耳だった。エビ豆は家庭の総菜として比較的知られているが、お年寄りらのいる家庭でないとなかなか作られないという。
伝承料理を伝える活動を続ける地域の「伝伝(でんでん)クラブ」の高橋静子さん(71)ら女性たちが手ほどき。生徒たちは包丁を手に、生のビワマスを2枚おろしにしたり、野菜を刻んだり、サツマイモを茶巾絞りに仕上げたりした。食材は米、野菜、みそなどほとんど地元産。湖産の川エビと炊く大豆は甘みの強い県在来種のミズクグリが使われた。 |