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琵琶湖周航の歌誕生の宿は? 高島、情報提供求め
2012年5月31日
 「琵琶湖周航の歌」が生まれた今津の宿はどこか−。成立過程に残る最後の謎解きに、歌や郷土史の研究者らが取り組んでいる。歌の95周年特別展を1日から行う琵琶湖周航の歌資料館(滋賀県高島市今津町)が、歌の誕生に関わる情報の提供を呼びかける。

 「われは湖(うみ)の子」の詞で知られる周航の歌は、旧制三高(現京都大)の小口太郎(1897〜1924年)が1917年6月28日、水上部(ボート部)の琵琶湖周航中に、今津の宿で披露した。仲間の証言と、市街地の辻川通にあった今津郵便局の消印がある「今夜はこの今津に宿る」と書かれた小口の手紙が、その手がかりだ。

 周航の歌の研究者、飯田忠義さん(73)=長岡京市=は、「宿」が湖畔に当時あった旅館3軒のいずれかと推測して調べたが、宿帳など証拠が無かった。

 95周年を前に調査を再開した飯田さんは、後に埋め立てられた内湖「中沼」にボートを入れ、郵便局に近い辻川通で泊まったという新説を立てた。元資料館長の澤田浩さん(70)らも、昔は辻川通に複数の宿があり、三高生が泊まった話が伝わる家もあるとの話を聞き込んだ。今津の町並みの変遷に詳しい今津古文書研究会長の森田吉則さん(77)も研究に加わった。

 断片的な情報が資料館に集まるが、まだ決定打が無い。町並みが変わり、当時を知る人の孫の世代も高齢化している。「宿屋をしていた家がある」「この辺りまで沼で、舟が泊まっていた」。そんな情報があれば、真相に近づく。

 飯田さんは「ロマンと謎に満ちた周航の歌だが、100周年までに何とか最後の謎を解き明かしたい」と話す。資料館の特別展は6月末まで。月曜休館。TEL0740(22)2108。
京都新聞


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